ホーリーウィークと呼ばれるフィリピンでの復活祭に関する長期お休みは2021年は4月1日から4日までの予定と発表されています。(2021年1月末現在)
そもそもなんのお休みなのか、どんなことをするのか、街の様子も含めてご紹介します。
ホーリーウィークあるいはレンテンシーズンとは?
国民の86%がローマカトリック教徒(1)のフィリピン。カトリック行事はもはや国民行事的扱いですので、クリスマスの次にこの時期を大切にします。(出典:(1)Religion in the Philippines)
イースターと聞けば、最近ディズニーランドでもイースター祭をしますし、イースターエッグもファッションのように浸透してきているので、耳馴染みのある方もいらっしゃるかもしれません。
基本的に、春分のあとの最初の満月の次の日曜日がイースターとされています。ということで、毎年変わります。
キリスト教では、人々の罪のために十字架にかけられて死んだイエスキリストが、3日目によみがえったことを祝うのが復活祭でイースターと呼ばれる日になります。そして、その十字架にかけられる前を受難節とよび、フィリピンではホーリーウィーク(聖週間)と呼ばれています。
フィリピン ホーリーウィーク どんなことするの?
Ash Wednesday アッシュウェンズデー 灰の水曜日
四旬節とも呼ばれているイースター前の40日間の最初の日を、アッシュウェンズデーと呼んでいます。この日は教会でミサの際に、灰をおでこにつけたりします。
このおでこの灰は自分で取っちゃだめだそうです。
イエスキリストが宣教に入る前に砂漠で断食をおこなったことから、この時期に入ると肉なしの生活に…と一応建前的には言われますが…個人の自由としておきます(笑)
Palm Sunday パームサンデー 棕櫚の主日あるいは聖枝祭
イースターの1週間前の日曜日で、聖書の中ではイエスキリストがロバの背に乗ってエルサレムに入城した日です。ここからイエスキリストの最後の1週間は始まります。
教会の外でいろいろ売られているヤシの葉っぱのデザインみるだけでも面白いですよね。
日本のえべっさんの笹を持って帰る姿と私の中ではクロスオーバーしてしまっていました…
Maundy Thursday ホーリーサーズデー 聖木曜日
本格的なホーリーウィークはここからです。有名な最後の晩餐の絵がありますが、この日にイエスは弟子たちの足を洗ったともいわれているため、洗足木曜日ともいわれています。
By レオナルド・ダ・ヴィンチ – 不明, パブリック・ドメイン, Link
金曜、土曜はミサが行われないので、週の最後の夜のミサに出かける人も多いです。
マニラで働く地方出身者は田舎に帰ってこのホーリーウィークを過ごすので、水曜日から祝日となっているのはそれが理由ではないかと思っています。ゆえに、早い子は火曜日の夜仕事が終わると同時に、長距離バスに乗って帰って…となります。
Good Friday グッドフライデー 聖金曜日
この日イエスキリストは午後3時に十字架上で天に召された、ということで、この日に朝から教会で朗読会や大通りで受難劇をしたりということも地域によってあります。(マニラは逆に、人がいなくてひっそりします)
【要注意!】イエスキリストの受難を再現しています。磔にする映像が出てきますので、見たくない方は視聴しないでください!
これらに立候補された人は、自分や家族が生死を彷徨うような体験をした人が、イエスの受難を再現することで、神さまに感謝を伝え、また祈りをささげるという意味合いがあるようです。
Black Saturday ブラックサタデー 聖土曜日
熱心な信者は朝から教会で祈りと歌をささげる日です。復活祭の前夜ということで、イースターイブと呼ぶ人もいます。
この日は、ミサも結婚式、お葬式も一切執り行われない日となっています。
Easter イースター 復活祭
金曜日に十字架で天に召されたイエスキリストが3日目に復活するということで、この日を盛大にお祝いします。日曜日の早朝、あるいは土曜の夜12時を過ぎたところで、タガログ語で salubong と呼ばれる儀式が行われます。
街の様子
普段渋滞のひどいマニラなど都心部が、びっくりするくらいガラガラになったり、お店が早くに閉まったりとします。ただ田舎の方にいくと、教会関係の行事で人が集まってくるので、大衆食堂のようなところは開いていたりします。
とにかく完全にカトリック教会中心の街へと様子が変わります。なので、そういうのをみる以外、何にもすることがなかったりします。なので、この時期に行くのはビーチでのんびり動かない、くらいがいいかもしれません。
テレビドラマで取り上げられるレンテンシーズン
2019年のレンテンシーズンにはフィリピンの昼の帯番組、#eat blaga イートブラガが3夜連続で特別番組を放映しました。
この人気番組40周年記念ドラマで、最終日に放映されたIKIGAI 生きがいは日本の大分県で撮影されました。
フィリピンのホーリーウィークは家族のための時間
クリスマスはフィリピンで家族の絆を確認する季節です。同様に、ホーリーウィークもイエスキリストの復活をお祝いすると同時に、普段マニラで働いている家族たちも田舎に戻って、一緒にお祝いする大切な時間でもあります。
2020年はコロナ禍のロックダウンで宗教的行事どころか家を出ることも許されないフィリピンでした。ようやく外出禁止も解除されてきた2021年ですが、過去のような教会や地域で行われる儀式はどうなるのでしょうか。アフターコロナの家族の在り方も含めて、見守っていきたいとおもいます。
(2019年の記事に加筆)
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