フィリピン人はテレビや映画が大好き。日本でもフィリピンでもスマホでユーチューブをみるのが若者には主流になりつつあるようですが、それでも人気俳優さんの出演映画の初日にはファンが集まり、SNSを賑わせます。
今回は、そんなフィリピン映画の日本で撮影されたものをご紹介します。
佐賀で撮影:This time
主演James Reid ジェイムス・レイドとNadine Lustre、ナディン・ルストレ監督Nuel Curissostomo Navalノエル・クリソストモ・ナバル の映画は2016年に佐賀県内で撮影されました。佐賀はタイ人観光客誘致に成功したと聞いたことがありましたが、フィリピンも?と調べたところ、タイ映画を撮影されたときと同じ、佐賀フィルムコミッションのご協力で撮影されてました。
北海道で撮影:Kitakita
主演Alessandra de Rossi アレサンドロ・ロッシとEmpoy Marquez エンポイ・マルケス、監督Sigrid Andrea Bernardo シグリッド・アンドレア・ベルナルドの作品で、こちらは北海道のさっぽろフィルムコミッションのご協力の下で、撮影されています。
KITA KITA (2017) Official Full Trailer | Alessandra de Rossi | Empoy Mar…
飛行機の中で見たんだけど、久しぶりに号泣した映画
タガログ語だけど、ぜひフィリピン好きなひとは英語字幕で見てほしい!! https://t.co/nORbThCz9x— Meg (@megumi761) December 24, 2018
実は私、この映画フィリピン航空の飛行機の中で観ました。何をみようかなーっとタイトルをみている時にkitakita というタイトルに手を止めて、見てみようと思ったのでした。また、これは帰りの飛行機で気づいて観たのですが、フィリピンに滞在中本屋さんで、このタイトルの本を見かけたのも気になった理由のひとつでした。タイトルのKitakita の下にカタカナでキタキタと書いてあったので気にはなったのですが、その時点ですでに両手いっぱいの本で埋め尽くされていた私は、もう手に取りませんでした。んー!残念!買えばよかった、とはあとの祭りです。
タガログ語でkita キータというのは見るという動詞になります。kita を短くキタと発音するときは私はあなたを、という主語と目的語をワンセットにした単語になるのです。タガログ語で愛してる、I love you を言うと mahal kita マハルキタ となるのですが、このキタが英語で言うところの I とyou をまとめる言い方になっているわけです。
こちらが、予告編。
札幌でツアーガイドをしていた主人公が失恋を機に一時的に視力を失い、出会った男性との恋の中でだんだんと生きる気力を取り戻していくストーリー。最後がハッピーエンドでなかったことが、ちょっと不満です、個人的には。女性からすると、絶対一生トラウマやん!みたいな終わり方です。
撮影は札幌だけではなく小樽や富良野でもされていて、南国のフィリピン人からするとこれは行きたくなるような別世界の景色ばかりでした。
この映画は興行収入650万ドル(約7億1500万円、フィリピン現地メディア等による)を記録し、フィリピンの自主映画歴代興行記録1位(1)を獲得したそうで、壮大な景色がフィリピン人の心をつかんだのではと思われます。
福岡と旭川で撮影:imbisibol
監督LawrenceFajardo ローレンス・ファハルドによる作品で、日本で不法滞在として存在する4人のフィリピン人の生活が描かれた作品です。2016年の東京国際映画祭で、東京でも上映されています。
こちらは内容はかなりシビアで、在日フィリピン人の生活が描かれています。
フィリピンでは家族、親せきが海外出稼ぎ労働者として働いている人がいるのはよくあることです。その中でも80年代の日本への出稼ぎラッシュから、日本は大金を稼げる国としてのイメージが依然として残っている中で不況のこの国で同胞たちが抱えている悩みは、共感を得やすいテーマでもあります。
2015年3月のシナグ・マニラ映画祭2015で最優秀作品賞・監督賞など7部門を制覇。福岡フィルムコミッションが全面協力し、国際交流基金アジアセンターが助成して撮影されました。(2)
佐賀で撮影:Hanggang Kailan?
最初にご紹介した佐賀で、同じく佐賀フィルムコミッションがご協力されています。主演はXiam Lim シーアン・リムとLouise De los Reyesルイーズ・デロスレイェス、監督はBona Fajardo ボナ・ファハルドで、佐賀県内で撮影がされています。
2人の女性の間で悩む男性が、最後の旅と決めて彼女と来日する数日間が佐賀で撮影されています。バルーンフェスティバルの様子など、こちらもフィリピンにはない風景がふんだんに使用されています。
東京で撮影:SID AND AYA:NOT A LOVE STORY
こちらは東京で一部撮影されたとSID AND AYA:NOT A LOVE STORY。
My inflight movie from Tokyo to Manila was @annecurtissmith and @iamdongdantes movie, “Sid & Aya” which kinda takes me back to streets of Tokyo!
Thanks @flyPAL for the great selection of Filipino movies.
— (@RTCaparas) October 12, 2018
Just finished watching Sid & Aya. Oo sobrang late pero grabe sobrang unique ng movie and makes me nostalgic of Tokyo. ❤️
— Anton De Guzman (@antndgzmn) June 22, 2018
映画をみて、東京の雑踏が恋しくなった人、そんなデートをしてみたいと憧れを持つ場所、そんなことをおもわせるのは、やはり東京の魅力なのでしょうか。
今後も増えるのでは?
海外で撮影をしてより話題になる映画を作りたいフィリピン側の意図やインバウンド拡大を狙う日本側のwin-winな目的で、今後このようなフィリピンの映画の撮影が増えていくのではないでしょうか。
また、2018年は福岡国際映画祭でフィリピンの映画が特集されたり、東京国際映画祭や大阪アジア映画祭などにもフィリピン映画が加わるようになってきました。今後、日本での撮影や、フィリピンの映画の上映が増えていくのではないかと思っています。
個人的には、上記にあげた予告編のタガログ語にすべて日本語訳のテロップをつけたい…ああ、私ならこんな風にまとめるのに、と空想しては楽しんでいます。どなたか、そういうことに詳しい方、ご連絡ください。
(1)札幌フィルムコミッション
(2)東京国際映画祭
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